放射線治療科
概要
対象疾患
すべての悪性腫瘍(がんや肉腫)や一部の良性疾患が放射線治療の対象となります。当院で治療困難な患者さんは、適切な施設をご紹介します。
特色
放射線治療は、手術、薬物治療とともに、がんの三大治療の一つです。放射線治療の魅力は、
1)臓器の機能や形態を残したままで治せること。
2)治療技術の進歩で、正常組織にはできるだけダメージを少なくできること。
3)高齢者や合併症があっても治療が受けられること。が挙げられます。
当院ではエックス線による高精度放射線治療を行っています。通常の3次元原体照射(3D CRT)および強度変調放射線治療(IMRT)を保険診療として行っています(図1)。前立腺がんのIMRTでは、直腸障害を軽減するためハイドロゲルスペーサ(Space OAR®)を治療前に挿入しています(図2)。小型肺がんや骨転移に対する定位体幹部放射線治療(SBRT)、脳転移に対する脳定位放射線治療(SRT)も行っています(図3,図4)。SBRTは、肝がんや膵臓がん、少数の臓器転移にも保険適応があります。画像誘導放射線治療やアブチェス®を用いた呼吸同期照射も実施しています。
放射線治療は単独または、手術や薬物治療と併用して行います。がんを治すための「根治照射」から、がんによる痛みや苦痛を取り除く「緩和照射」まで、放射線治療は、がんのすべてのステージで患者さんに貢献できる治療法です。
![]() 図1)前立腺がんのIMRT |
![]() 図3)肺がんの定位体幹部放射線治療 |
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![]() 図2)前立腺がん、ハイドロゲルを挿入したところ |
![]() 図4)脳定位放射線治療 |
他の医療機関との連携
当院の放射線治療科は、これまで福島県立医大からの非常勤医の支援を受けてきましたが、2022年4月から放射線治療専門医が常勤となり、2023年10月には常勤医が2名体制となりました。今後も福島県立医大と連携しながら、高精度な放射線治療を提供していきます。
ご自身の病気に放射線治療が向いているのかどうかを専門医に聞いてみたい時には、直接、放射線治療科を受診して下さい。セカンドオピニオンも受け付けています。
当院で実施できない放射線治療には、粒子線治療(陽子線、重粒子線、中性子捕捉療法)、小線源治療、ラジオアイソトープ治療があります。これらの治療が適していると判断される場合には、適切な施設をご紹介します。
認定・研究内容
放射線治療を安全に行うためには、治療装置の精度管理が極めて重要です。当院では、放射線品質管理士や放射線治療認定技師が3名在籍し、治療装置の保守点検、精度管理に努めています。治療装置本体や関連する機器については外部団体による第三者評価を定期的に受けています。放射線治療専門医が常勤となり、今後は学会からの施設認定取得を進め、安心、安全で高精度な放射線治療を提供できるように取り組んで参ります。
医師紹介
部長/玉木 義雄
医師よりみなさまへ 2022年4月から放射線治療科の常勤医として赴任しました。生まれは兵庫県で、高校までは愛知県で育ちました。群馬大学を卒業し、群馬県、茨城県の大学やがんセンターで放射線治療医として勤務してきました。これまでの経験を生かし、良質な放射線治療を提供していきたいと思います。がん治療はチーム医療です。他の診療科やがん治療に関わるスタッフと密に連携しながら、皆様に満足していただける診療を心がけます。 |
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【略歴】
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【所属学会】
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【専門医資格】
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【専門分野】
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医師/竹原 由佳
医師よりみなさまへ 令和5年10月より赴任しました。地元いわきに戻ってこられて嬉しく思っています。主にがん治療でいわき地区の医療に貢献していきます。どうぞよろしくお願いいたします。 |
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【所属学会】
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【専門分野】
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実績
│2022年│2021年│2020年│2019年│2018年│2017年│
2022年
項目名 | 症例数 |
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放射線治療新患数 | 177 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 213 |
原発巣分類別新患数 | 177 |
【脳・脊髄】 | 2 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 2 |
【食道】 | 11 |
【肺・気管・縦隔】 | 49 |
【- 内『肺』】 | 49 |
【乳腺】 | 50 |
【肝・胆・膵】 | 2 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 23 |
【婦人科】 | 0 |
【泌尿器系】 | 25 |
【-内『前立腺』】 | 19 |
【造血リンパ系】 | 7 |
【皮膚・骨・軟部】 | 1 |
【その他(悪性)】 | 4 |
【良性】 | 1 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 35 |
【脳転移】 | 7 |
【骨転移】 | 28 |
2021年
項目名 | 症例数 |
---|---|
放射線治療新患数 | 163 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 193 |
原発巣分類別新患数 | 163 |
【脳・脊髄】 | 0 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 3 |
【食道】 | 8 |
【肺・気管・縦隔】 | 46 |
【- 内『肺』】 | 44 |
【乳腺】 | 52 |
【肝・胆・膵】 | 1 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 27 |
【婦人科】 | 0 |
【泌尿器系】 | 14 |
【-内『前立腺』】 | 12 |
【造血リンパ系】 | 6 |
【皮膚・骨・軟部】 | 0 |
【その他(悪性)】 | 6 |
【良性】 | 0 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 42 |
【脳転移】 | 9 |
【骨転移】 | 33 |
2020年
項目名 | 症例数 |
---|---|
放射線治療新患数 | 186 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 229 |
原発巣分類別新患数 | 184 |
【脳・脊髄】 | 0 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 3 |
【食道】 | 7 |
【肺・気管・縦隔】 | 61 |
【- 内『肺』】 | 58 |
【乳腺】 | 54 |
【肝・胆・膵】 | 9 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 25 |
【婦人科】 | 0 |
【泌尿器系】 | 15 |
【-内『前立腺』】 | 9 |
【造血リンパ系】 | 6 |
【皮膚・骨・軟部】 | 3 |
【その他(悪性)】 | 1 |
【良性】 | 0 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 61 |
【脳転移】 | 21 |
【骨転移】 | 40 |
2019年
項目名 | 症例数 |
---|---|
放射線治療新患数 | 156 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 180 |
原発巣分類別新患数 | 156 |
【脳・脊髄】 | 1 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 2 |
【食道】 | 12 |
【肺・気管・縦隔】 | 40 |
【- 内『肺』】 | 38 |
【乳腺】 | 51 |
【肝・胆・膵】 | 8 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 16 |
【婦人科】 | 0 |
【泌尿器系】 | 18 |
【-内『前立腺』】 | 16 |
【造血リンパ系】 | 7 |
【皮膚・骨・軟部】 | 1 |
【その他(悪性)】 | 0 |
【良性】 | 0 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 38 |
【脳転移】 | 12 |
【骨転移】 | 26 |
2018年
項目名 | 症例数 |
---|---|
放射線治療新患数 | 161 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 191 |
原発巣分類別新患数 | 161 |
【脳・脊髄】 | 0 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 1 |
【食道】 | 6 |
【肺・気管・縦隔】 | 49 |
【- 内『肺』】 | 48 |
【乳腺】 | 43 |
【肝・胆・膵】 | 8 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 18 |
【婦人科】 | 0 |
【泌尿器系】 | 21 |
【-内『前立腺』】 | 19 |
【造血リンパ系】 | 6 |
【皮膚・骨・軟部】 | 2 |
【その他(悪性)】 | 6 |
【良性】 | 1 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 48 |
【脳転移】 | 15 |
【骨転移】 | 33 |
2017年
項目名 | 症例数 |
---|---|
放射線治療新患数 | 175 |
放射線治療実人数(新患+再患) | 201 |
原発巣分類別新患数 | 175 |
【脳・脊髄】 | 0 |
【頭頚部(甲状腺含む)】 | 3 |
【食道】 | 10 |
【肺・気管・縦隔】 | 45 |
【- 内『肺』】 | 43 |
【乳腺】 | 45 |
【肝・胆・膵】 | 5 |
【胃・小腸・結腸・直腸】 | 23 |
【婦人科】 | 1 |
【泌尿器系】 | 38 |
【-内『前立腺』】 | 31 |
【造血リンパ系】 | 2 |
【皮膚・骨・軟部】 | 1 |
【その他(悪性)】 | 1 |
【良性】 | 1 |
【15歳以下の小児例】 | 0 |
脳及び骨転移治療患者実数(新患+再患) | 51 |
【脳転移】 | 21 |
【骨転移】 | 30 |